Boom Bye Bye Pain

Tomokazu Matsuyama

KOTARO NUKAGAは、2拠点目となる新スペースKOTARO NUKAGA(六本木)を、2021年5月、東京都港区六本木のピラミデビル内にオープンします。第1回目の展覧会として、ニューヨークを拠点とする松山智一の3年ぶりとなる日本での個展、「Boom Bye Bye Pain」を2021年5月22日(土)から7月10日(土)まで開催します。

こけら落としとなる松山智一個展の「Boom Bye Bye Pain」という展覧会タイトルは、1992年にリリースされヒットしたBuju Bantonのポップレゲエソング「Boom Bye Bye」と「Pain」という2曲のタイトルを松山が融合したものです。銃撃音を表す「Boom」と、それから連想される「Bye Bye」を掛け合わせるブラックミュージック特有のスラングは、アフリカ系アメリカ人たちがゲイの人々に発した差別的なメッセージという意味も孕んでおり、発表当時は物議を醸しました。巨大都市に生きるマイノリティが、自己肯定のために別のマイノリティを否定するという構造は、松山自身が人種差別を受けながらもアメリカ社会の中でアーティストとして活動するなかで逃れることの出来ない環境であり、それこそが痛み「Pain」を感じつつも生を実感させる現実でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
私自身もニューヨークでの活動を行う上で、マイノリティ同士の小競り合いの中を生き抜いてきて、今があります。
襲われたり、時には銃口を突き付けられることもありましたが、制作活動をするうえでこのような熾烈な生活環境は
不可避なリアリティでした。

ただ、そうした鮮烈な経験は、今では自分にとって財産となり、ニューヨークで芸術家として生きていく上で、
折れない指針、原動力とさえなりました。

人々がもつ様々な背景という差異の中から生まれるその痛み、「Pain」こそ人間の生きる上での証であると
感じます。またそうした経験があったからこそ、生き抜くという人間の根底と向き合いながら創作活動に
励んでこられました。自分の存在とは何か?自分はだれなのか?我々はだれなのか?

芸術において「生と死」という概念は時代を問わず描かれ続けたテーマであり、存在意義を確認することは
現代に生きる私たちにとってもなお、この根源的な命題に直結しています。私は創作を続ける上で、私に
とっての生きること(創作を続けること)への意味を模索しつづけてきました。タイトルが表す意味とは
パラドキシカルに聞こえるかもしれませんが、私にとりこの展覧会はポジティブな問いを内包しており、
我々の存在意義をなぞるきっかけのひとつになればと思っています。

松山智一

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

本展を代表する作品となる≪Spiracles No Surprises≫は、馬に乗る人物が旗を持ち、もう1人が行く先を示す、松山の代表的なモチーフである騎馬像のシリーズです。歴史的に、強者や支配者の象徴として描かれてきた騎馬像を、鮮やかな色彩と古今東西の装飾柄や抽象的な表現で描くことにより、松山は時代を超えて繰り返し描かれてきたそのモチーフに込められた権威性を解体し、そこに新たな意味を与えます。騎乗する2名を取り囲む、非現実的で浮遊感のある世界観は、様々な文化が融合し、膨大な情報の中で現代社会を生きる私たちの脳裏にふとよぎる、「我々は何者で、どこに向かうのか」という問いを暗示するかのようです。ニューヨークという多様な文化的伝統が存在する民族混合地域で自身のアイデンティティの問題と常に向き合う松山は、マイノリティだからこそ見える視点と「私たち」という主語で鮮やかに社会を切り取ります。それは、松山が自身の経験を通して解釈するリアルな多文化主義を力強いビジュアルで軽やかに作品化する行為なのです。
大作を含む約15点の新作を発表する本展は、「どのような環境に置かれても生き残っていかなければならない、人間の根源的な営みと向き合いながら制作に取り組んできた」と語る松山にとって、創作すること、すなわち生きることの意味を改めて問いかける展覧会となります。

開催概要

展覧会名

Boom Bye Bye Pain

アーティスト

会期

2021年5月22日(土) – 7月10日(土)

開廊時間

11:00~18:00 (火-土)

日月祝休廊

※開廊時間、入場制限等については随時変更させて頂く可能性があります。
※感染症拡大防止のため、会場の混雑状況により入場を制限させていただく場合がございます。ご理解・ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。
※6月1日(火)から当面の間、土曜日に来廊を希望される方についてのみ、5月13日(木)に弊廊から配信しましたメールニュース、または展覧会のINVITATIONをお持ちの方以外は、アポイントメント制とさせていただきます。土曜日にご来廊される際は、事前にお電話(03-6721-1180)またはメール(info@kotaronukaga.com)でお問い合わせ下さい。

ご来廊の際のお願い

なお、展覧会を安全にご覧いただくために、ギャラリーでは下記の対感染防止対策を行なっております。
皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。

【ご来廊の際のお願い】
必ずマスク着用の上、入口で手指の消毒をお願いいたします。
また、以下の症状をお感じの方は、ご来廊をお控えください。
・風邪の症状がある
・37.1度以上の熱がある
・倦怠感(強いだるさ)、息苦しさ等がある

【ギャラリー側の対応】
・手指消毒液の設置
・ドアノブ、エレベーターボタン等の随時消毒
・ギャラリー内の換気・混雑時の入場制限
・スタッフのマスク着用、手指消毒、検温

 

会場概要

[展覧会会場]

KOTARO NUKAGA

会場

〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F

アクセス

東京メトロ日比谷線、都営地下鉄大江戸線「六本木駅」3番出口より徒歩約3分

Venue

  • KOTARO NUKAGA

Date

  • May 22 - July 10, 2021

Open Hours

  • 11:00-18:00 (Tue-Sat)
  • *Open hours have been changed. 
  • *Closed on Sun, Mon and National Holidays